日傘のUVカット効果は2〜3年で落ちるってホント?

「日傘のUVカット効果は2〜3年で落ちてしまう」という話を耳にして、不安に思っている方もいるかもしれませんね。せっかく良い日傘を買ったのに、すぐに効果がなくなってしまうなんて心配になりますよね。でもご安心ください!それは都市伝説に近い話なんです。多くの方が抱いているこの疑問に、今日はお答えしていきます。

今どきの日傘はUVカット効果が長持ち!その秘密は「PUコーティング」にあり

まず、誤解を解くために日傘の構造について少しだけ触れておきましょう。最近の日傘や晴雨兼用傘のほとんどは、生地の裏側にポリウレタン(PU)コーティングが施されています。このPUコーティングこそが、UVカット効果を長期間持続させるための重要なカギなんです。

 

PUコーティングは、紫外線を物理的に遮断する役割を果たします。まるで生地の裏にもう一枚、薄い膜が張られているようなイメージです。このタイプの傘は、生地そのものが破れたり、傘の開閉を繰り返すうちに激しく摩耗したりしない限り、UVカット効果は基本的に継続します。日常的な使用で2〜3年程度で効果がなくなるということは、ほとんどありませんのでご安心ください。

「2〜3年で効果が落ちる」という誤解のルーツは昔の日傘にあった

透けない生地
透けない生地
透ける生地
透ける生地

では、なぜ「2〜3年で効果が落ちる」という話が広まったのでしょうか?その原因は、現在主流となっているPUコーティングの日傘ではなく、かつて主流だった、日差しが透けるタイプの生地の日傘を指していると考えられます。

 

昔の日傘や、一部の軽量・デザイン重視の日傘には、生地の裏側にPUコーティングがないものがありました。これらの透けるタイプの生地は、生地の表面、あるいは裏面にUV吸収剤が塗布されていました。このUV吸収剤は、紫外線を吸収することで肌を守る働きをします。しかし、残念ながらUV吸収剤は、使用に伴う摩擦や洗濯、あるいは経年によって少しずつ剥がれてしまう性質がありました。そのため、昔の日傘では、確かに数年でUVカット効果が低下してしまうケースがあったのです。この経験則が、現在のPUコーティングされた日傘にも当てはまるかのように語り継がれてしまったのでしょう。

「透けるタイプ」でも全く効果がなくなるわけではない!生地そのものの力に注目

「もし自分の日傘が透けるタイプだったらどうしよう…」と心配になった方もいるかもしれませんね。たとえUV吸収剤が塗布されている透けるタイプの日傘であっても、全くUVカット効果がなくなってしまうわけではないのでご安心ください。

 

UV吸収剤が剥がれてしまったとしても、生地そのものが紫外線をカットしてくれるからです。例えば、ポリエステルや綿といった生地は、素材の特性上、ある程度の紫外線を吸収・反射する性質を持っています。もちろん、UV吸収剤が塗布されている状態に比べれば効果は下がりますが、「UVカットが多少でもあればいい」とお考えであれば、使用に大きな支障はありません。

 

目安としては、購入時にUVカット率が90%だった透けるタイプの日傘が、数年使用した結果、10%程度ダウンして80%くらいになる、というイメージです。完全に無防備になるわけではないので、過度に心配する必要はありません。

「2〜3年で効果がなくなる」は昔の常識!日傘の進化を信じて

「2〜3年で効果がなくなる」と誰が言い出したかは定かではありませんが、これは比較的昔の常識と言えるでしょう。日傘の技術も日々進化しており、現在の主流であるPUコーティングされた日傘には、この常識は当てはまりません。

 

ただし、UVカット効果が長持ちすると言っても、傘全体の寿命が永遠というわけではありません。使用頻度にもよりますが、2〜3年経過すると撥水性が低下してきたり、傘の骨にガタつきが出てきて使いにくくなったりすることもあります。そのため、よく使う傘であれば、2〜3年が傘の買い替えサイクルとなるケースは少なくありません。

 

つまり、あなたが今お使いの日傘がPUコーティングされているタイプであれば、適切にお手入れをして大切に使えば、UVカット効果は長く持続します。生地が破れたり、コーティングが剥がれるほどの物理的な損傷がない限り、UVカットのためだけに数年で買い替える必要はないと思って大丈夫です。

 

お気に入りの日傘を、これからも安心して使ってくださいね。今年の夏も、日傘と共に快適に過ごしましょう!