日差しが気になる季節、日傘選びで「完全遮光」や「遮光率100%」といった言葉を目にすることが多いのではないでしょうか。「どちらも同じように光を遮ってくれそうだけど、何か違いがあるの?」「どちらを選べばいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
このページでは、これらの表示が何を意味するのか、そして私たちHEATBLOCK®(アンベル株式会社)がなぜ「遮光率100%生地使用」という表現を選んでいるのか、その理由と想いについて詳しくご説明します。賢い日傘選びのために、ぜひご一読ください。
まず、多くの方がこれらの言葉に期待するのは、「全く光を通さない」「傘の下に濃い日陰ができる」といった効果でしょう。実際に、日傘の遮光性能を示す基準として「JIS L 1055 A法」という試験方法があり、この試験で遮光率99.99%以上を達成した生地は「1級遮光生地」と分類されます。
一般的に市場で「完全遮光」や「遮光率100%」と表示されている日傘の多くは、この「1級遮光生地」を使用していることを指しています。つまり、生地自体の性能としては、両者に大きな違いはなく、極めて高いレベルで光を遮る能力を持っていると考えて差し支えありません。
では、なぜ表現が異なるのでしょうか。これには、各メーカーの製品に対する考え方や、お客様への情報伝達のスタンスの違いが表れています。
一部のメーカーでは、消費者に生地の高い遮光性能を分かりやすく伝え、その効果を強調するために「完全遮光」という言葉を選んでいます。これは、JIS規格の1級遮光生地が実質的にほとんど光を通さないことから、そのように表現していると考えられます。
私たちHEATBLOCK®(アンベル株式会社)は、製品の性能表示において、お客様に正確な情報をお伝えすることを最も重視しています。そのため、あえて「完全遮光」という言葉を使わず、「遮光率100%生地使用」という表現を採用しています。
その理由は以下の通りです。
生地の性能は最高レベルです。 HEATBLOCK®生地は、JIS L 1055 A法に基づく遮光率試験において、遮光率99.99%以上(限りなく100%に近い数値)を達成しています。つまり、生地自体は太陽光をほぼ完璧にシャットアウトする性能を持っています。この高い性能には絶対の自信を持っています。
「製品」としての現実を考慮しています。 日傘は、一枚の布ではなく、複数の生地パーツを縫い合わせ、骨組みに取り付けて作られる「立体的な製品」です。そのため、いくら生地自体の遮光性が100%であっても、製品の構造上、以下のような箇所から微量の光が漏れる可能性を完全には否定できないのです。
これらの微細な光漏れは、一般的なご使用において体感的に大きな影響を及ぼすものではないかもしれませんが、「完全」という言葉が持つ「一切の例外なく、完璧に光を遮断する」という意味合いを考慮すると、お客様に誤解を与えかねないと私たちは考えます。
お客様への誠実さを大切にしています。 私たちが「完全遮光」と表記しないのは、決して製品の品質に自信がないからではありません。むしろ逆で、お客様に対してどこまでも誠実でありたい、正確な情報に基づいて製品を選んでいただきたいという強い想いがあるからです。製品の限界の可能性も正直にお伝えした上で、それでもなお高い満足感を得ていただける製品づくりを目指しています。
HEATBLOCK®は、単に「光を遮る」という遮光率の高さだけでなく、太陽光がもたらす様々な影響を考慮し、より多角的な情報開示に努めています。
一般的な日傘ではあまり言及されない「可視光線カット率」や「近赤外線カット率」についても、私たちは試験機関で測定し、その数値を公開しています。
紫外線(UV)カットはもちろんのこと、これらの情報を開示することで、お客様が太陽光全体の影響を理解し、より納得して製品を選んでいただけるよう努めています。
「完全遮光」と「遮光率100%」。これらの言葉は、多くの場合、非常に高い遮光性能を持つ生地を示しています。しかし、その表現の裏には、メーカーの製品に対する考え方やお客様へのスタンスが込められています。
日傘を選ぶ際には、表示されている言葉だけでなく、
といった点も参考にされることをお勧めします。
私たちHEATBLOCK®は、これからも正確な情報提供と、太陽光から皆様をしっかり守るための高い機能性を追求し、信頼してお選びいただける製品をお届けしてまいります。